まるまると自分

昼間のイルミネーションはガラクタ

回らない観覧車が星たちに怒られる

光らない蛍は子供に殺虫剤をかけられ

割れなかったくす玉が段ボールの上に積まれる

 

昼間のイルミネーションはガラクタ

なにを願い折ったのか思い出せない千羽鶴

結局使わなかったと老人が嘆く客室

四月十日から白紙の日記帳

 

昼間のイルミネーションはガラクタ

君は昨日より美しくなった

どこかに抜け殻があるのだろう

それを拾い集めるのが僕の生きがい

探している時間だけ僕は人間になれた

 

昼間のイルミネーションとガラクタ